第18回読書会のご案内
今月の読書会では、来月開催される「DrumPower - ドラムパワー」研修に先立ち、ハン ス=ウルリヒ・シュミット、トーマス・シュテーゲマン、カーステン・シュピッツァー編 『精神疾患及び心身症における音楽療法』 の中から、第31章「暴力予防」を取り上げま す。
本章では、暴力の概念と分類、医学的・心理学的な視点からみた暴力の影響、ならびに音 楽療法を活用した暴力予防の具体的なアプローチについて詳細に論じられています。世界 保健機関(WHO)の暴力分類に基づき、身体的暴力・心理的暴力・性的暴力や育児放棄 など、子どもや若者が直面する暴力の多様な形態が体系的に分類されています。また、暴 力がメンタルヘルスに及ぼす影響として、心的外傷後ストレス障害(PTSD)、抑うつ、 不安障害、衝動性の増加などが指摘されており、これらの心理的・社会的問題に対する適 切な支援や治療の必要性が強調されています。
音楽療法の観点からは、学校や支援施設における実践事例が紹介され、打楽器や即興演奏 を用いたグループワークが、攻撃性の調整や社会的スキルの向上に有効であることが示さ れています。また、個人療法においては、音楽を自己表現や情動調整の手段として活用す ることで、暴力的な行動パターンの変容を促すことができるとされています。加えて、本 章では医療・心理療法・教育機関との連携の重要性が強調されており、音楽療法を含めた 多職種協働の支援ネットワーク構築の必要性が提言されています。
シュミット、シュテーゲマン、シュピッツァー 編 「精神疾患及び心身症における音楽療法」第31章「暴力予防」
日時:2025年2月21日(金)20:00-21:30
場所:オンライン(Zoom)
参加資格:当学会会員(会員種別は問いません)
参加費:無料
申し込み:こちらのフォームからお申し込みください