DrumPower - 音楽による暴力未然防止、社会との調和、人格育成 - 

講師: Prof. Dr. Andreas Wölfl (音楽療法士、臨床音楽療法士、教育音楽療法士(DMTG)、児童思 春期心理療法士、スーパーバイザー、FMZ音楽療法士養成科主任、アウグスブルグ大学音楽療法学科主任教授)

DrumPowerは、Sternの自己感の発達理論、Bowlbyの愛着理論そしてFonagyのメンタライゼーションの概念 に、トラウマ理論、関係性理論及びシステム理論が統合されたコンセプトです。音楽的、音楽療法的アプローチによるこのプロジェクトは、認知的または身体的な暴力未然防止策にあまり心を開かない子どもや若者たちに働きかけます。情緒的なプロセスを重視することで、彼らが暴力性や攻撃性と向き合い、自尊心や共感力を高め、社会と調和し、問題を建設的に解決していく力が促進されます。対面で行われる基礎課程では、参加者はDrumPowerのメソッドを学び、アプローチ法を演習します。実践のための更なる方法論を学ぶ応用課程 では、受講者は小グループでそれぞれ独自のテーマを考案し、現場で実践することが義務付けられています。最終的にそのプロセスの発表および小論文の提出、講師による最終審査を経て、DrumPower認定資格の 取得が可能となります。

日程

基礎課程:2025年3月12日(水)〜3月15日(土)終了しました

3月12日 9:00集合、9:30 - 17:00
3月13日〜14日 9:00 - 21:00 (昼食及び夕食休憩、途中休憩あり)
3月15日 9:00 - 12:00

対面で行われる基礎課程では、参加者はDrumPowerのメソッドを学び、アプローチ法を演習します。プロ ジェクトの構成とその進め方に沿った太鼓の即興演奏、音の知覚、ヴォイスワーク、音楽療法のロールプレ イなど、中心となるアプローチ法が紹介され、受講者が演習します。また、プロジェクトの実施とその成果 がどう活用されるかについても論じられます。

・ジャンベ(高さ58cm~65cmのサイズのもの)もしくはコンガを各自ご持参ください。両手で上から叩け る太鼓が必要となりますので、ご注意ください。小太鼓やカホンは不可。

応用課程(オンライン):
2025年6月21日(土)、22日(日)(第1回)及び
2026年1月31日(土)、2月1日(日)(第2回)の合計4日間

第1回 2025年6月21日〜22日 
応用課程が始まる前に各自実践場所を見つけてください。2人で組んで実践することも可能です。その他、皆さんの課題を下にまとめました。

・5人ずつのピアグループ(研究グループ)を作り、1ヶ月に1度集まって(必ず対面で)渡された資料について全員で話し合う(内容や概念について、ディスカッションしてください)。関西組のグループがすでに一つできているので、あとのグループはこちらで組んでお知らせします。

応用課程第1回(6/21-22)終了後に現場での実践を始めます(1回90分、10回)。
実践をしながら第2回(1/31-2/1)までにすることは以下のとおりです。
・月1回ピアグループで集まり、互いの状況を報告し合い、意見交換をする(建設的な批判やディスカッションがされることを願っています)。
・グループスーパービジョンを5回受ける(1回につき1人60ユーロ)。
・実践の報告書を作成し、それについてのプレゼン資料(パワーポイント)を作成する。

第2回 2026年1月31日〜2月1日 
実践プロセスの発表と、それをまとめた報告書を提出して、審査の上資格認定となります。

・最終週に各受講者が実習のプロセスを発表し、それをまとめた報告書を提出していただきます。
・発表は1人20~30分。可能な限りパワーポイントを使い、他の参加者のためにハンドアウトを用意してく ださい。その時点でまだ実習できていない人は、実習のためのコンセプトを発表していただきます。
  ・人数が多ければグループを二つに分けて発表 (インターヴィジョングループとは別のメンバーにする)
  ・報告書は3ページ以上10ページ以下で、日本語で書くこと。

場所

国立女性教育会館 NWEC(ヌエック)
〒355-0292 埼玉県比企郡嵐山町菅谷728番地
https://www.nwec.go.jp/

料金

会 員…基礎・応用課程 各75,000円(税込、宿泊費別)
非会員…基礎・応用課程 各85,000円(税込、宿泊費別)
*ただし両課程同時申し込みの場合、合計額から10,000円の割引あり
*応用課程では、別途スーパービジョン代がかかります

定員

基礎課程 30名(最小実施人数15名)
応用課程 20名(最小実施人数12名)

参加条件

ジャンベ(高さ58cmから65cmほど。床の上に置いた状態でまっすぐ座って叩けるもの)またはコンガ各自ご持参ください。
実践中心のメソッドであるため、即興やロールプレイに積極的に参加できること。また、心理療法的アプローチであるため、内省ができ、言語化できること。心理療法的音楽療法の基礎知識があること*。
*事前にドイツ音楽療法センターの「入門セミナー」を受講することを推奨します。

資格認定のための最終論文について

「ドラムパワー実践の報告書」であり、日本語で3〜5ページほど。この報告書は、各自のドラムパワープロジェクトが的確に実践されたかどうかを確認するためのものであり、受講者は応用編の最終週にそのまとめを口頭でも発表します。

Q&A

受講希望の方からの質問と、それに対するWölfl教授の返答

DrumPowerを現場で実践する場合、グループには最大何名まで参加できますか?また、生徒だけでなく教師や保育士などが一緒に参加することは可能ですか?

クラシックな形では、DrumPowerはクラス全体を対象に行われるもので、クラスの担任教師と協力して進めます。つまり、セラピスト(トレーナー)と教師という、常に2人の大人が参加することになります。可能であれば、教師やその他の大人の支援者は常に参加するべきです(実施と持続性のため)。グループの大きさとしては、私は30人の生徒がいる大きなグループで実践したこともあります。日本の学校の構造について詳しくは知りませんが、クラスの人数はおそらく似ているのではないでしょうか。


DrumPowerの実践の対象となるのはグループのみですか?個人セッションはしないのですか?

DrumPowerは、グループでのワークに特化したプロジェクト手法であり、このコンセプトは、グループ のダイナミクスを活かして進められます。そのため、最初からグループ単位でワークを行うことが重要です。例えば学校で実践する場合は、既存のクラス構造に基づいて進めます。というのも、その目的が、尊重 と感謝の念を持つグループ構造の中で、攻撃性や対立というテーマに取り組み、互いに建設的な対処法(解 決策)を考え出すことだからです。特に、周囲から浮いている生徒(または問題を抱えている生徒)には、 積極的に参加し、クラスに馴染んでいくことが求められるため、DrumPowerではさまざまな音楽療法的アプローチを実践します。ただし、場合によってはクラスを半分に分けることも有益です。 そうすることで、グループが小さくなり、各生徒とのコンタクトが取りやすくなり、個別の対応ができるようになります。

年齢や性別、所属などの異なる人たちが同じグループに参加することは可能ですか?

基本的にグループは均一である必要はありませんが、例えば年齢層を分けて参加者の発達段階に応じた構成を考慮することが推奨されます。

実習は何時間ですか? また実習の場は一箇所のみですか?

実習は合計20時間です。1回2時間のセッションを10回実施します(1時間は45分とします)。 これはプ ロジェクトが適切に展開され、実施されるための目安です。もし5〜7回(10〜14時間)のセッションでプ ロジェクトがうまく実施できた場合は、そこで終了することも可能です(スーパーバイザーとの話し合いで 決定)。
 また、2つの異なるグループ(各10時間)を対象にDrumPowerを実施することも可能です。重要なのは、小さなプロセスを作り出すこと、そして受講者自らが実践し、その経験をスーパービジョン(インターヴィジョンやスーパーヴィジョン)で振り返り、安心して経験を積み重ねていくことです。

実習場所は学校や施設に限られますか?

基本的には学校や施設での実習が求められますが、そうでない(例えば既に心療内科などで仕事をしている)場合は、DrumPowerの要素をその現場でどう活かせるかを考えてコンセプトを決め、実践することも可 能です。
 例)心療内科で、攻撃的な怒りの感情を抑制してきた女性たちのグループが、建設的で前向きな自己主張としてのアグレッションと向き合う

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