第21回読書会

 今年の学会テーマ「暴力」にちなみ、今回はアンナ・フロイト著『自我と防衛』から9章:攻撃者との同一視を読みます。攻撃者との同一視は、いじめられた人がいじめる側に回るなど、不安を軽減するために働く無意識の防衛機制の一つです。フロイトが『快楽原則の彼岸』という文章の中で、有名な糸巻で遊ぶ幼児の観察を通して反復強迫について考察する際にすでに記述していた現象ですが、アンナ・フロイトによって命名・理論化されました。なぜ暴力は連鎖してしまうのか、本論考を通じて考察してみましょう。

アンナ・フロイト著『自我と防衛』第9章 攻撃者との同一視

日時:2025年6月27日(金)20:00-21:30 
場所:オンライン(Zoom)
参加資格:当学会会員(会員種別は問いません)
参加費:無料

第20回読書会

前回に引き続き、メラニー・クライン著作集2『児童の精神分析』から 第1章 児童分析の心理学的基礎を取り上げます。

日時:2025年5月23日(金)20:00-21:30 
場所:オンライン(Zoom)
参加資格:当学会会員(会員種別は問いません)
参加費:無料

第19回読書会

メラニー・クライン(1982-1960)は、サンドール・フェレンツィやカール・アブラハムに教育分析を受け精神分析家となりました。クラインはフロイトの理論を児童の分析に適用し、自由連想に代わるプレイ・セラピーの技法を生み出し実践する中で、独自の理論を発展させ、イギリスにおける対象関係論学派を切り開きました。フロイトの理論はエディプス期以降の心理を描いていますが、それより以前(0~3歳)の乳児のこころの世界はクラインの理論によってはじめて光が当てられました。妄想分裂ポジション、抑鬱ポジション、投影同一化、といった彼女の理論が子供の遊びを観察することからどのようにして生まれてきたのか、本人の言葉を読むのは興味深いことです。今期は1932年に書かれた『児童の精神分析』を読み進めていきましょう。

内容:メラニー・クライン著作集2『児童の精神分析』から 第1章 児童分析の心理学的基礎
日時:2025年4月25日(金)20:00-21:30 
場所:オンライン(Zoom)
参加資格:当学会会員(会員種別は問いません)
参加費:無料

DrumPower - 音楽による暴力未然防止、社会との調和、人格育成 - 

講師: Andreas Wölfl(音楽療法士、臨床音楽療法士、教育音楽療法士(DMTG)、児童思春期心理療法士、 スーパーバイザー、FMZ音楽療法士養成科主任)

日程:基礎課程 2025年3月12日~15日
   応用課程 2025年6月21日、22日および2026年1月31日、2月1日
  ※応用課程はオンライン

場所:国立女性教育会館 NWEC(会場に宿泊可)

第18回読書会

今月の読書会では、来月開催される「DrumPower - ドラムパワー」研修に先立ち、ハン ス=ウルリヒ・シュミット、トーマス・シュテーゲマン、カーステン・シュピッツァー編 『精神疾患及び心身症における音楽療法』 の中から、第31章「暴力予防」を取り上げま す。

本章では、暴力の概念と分類、医学的・心理学的な視点からみた暴力の影響、ならびに音 楽療法を活用した暴力予防の具体的なアプローチについて詳細に論じられています。世界 保健機関(WHO)の暴力分類に基づき、身体的暴力・心理的暴力・性的暴力や育児放棄 など、子どもや若者が直面する暴力の多様な形態が体系的に分類されています。また、暴 力がメンタルヘルスに及ぼす影響として、心的外傷後ストレス障害(PTSD)、抑うつ、 不安障害、衝動性の増加などが指摘されており、これらの心理的・社会的問題に対する適 切な支援や治療の必要性が強調されています。 

音楽療法の観点からは、学校や支援施設における実践事例が紹介され、打楽器や即興演奏 を用いたグループワークが、攻撃性の調整や社会的スキルの向上に有効であることが示さ れています。また、個人療法においては、音楽を自己表現や情動調整の手段として活用す ることで、暴力的な行動パターンの変容を促すことができるとされています。加えて、本 章では医療・心理療法・教育機関との連携の重要性が強調されており、音楽療法を含めた 多職種協働の支援ネットワーク構築の必要性が提言されています。

内容:シュミット、シュテーゲマン、シュピッツァー 編 「精神疾患及び心身症における音楽療法」第31章「暴力予防」
日時:2025年2月21日(金)20:00-21:30 
場所:オンライン(Zoom)
参加資格:当学会会員(会員種別は問いません)
参加費:無料

第17回読書会

内容:フェレンツイ「大人と子供の間の言葉の混乱 - やさしさの言葉と情熱の言葉 -」
日時:2024年1月31日(金)20:00-21:30 
場所:オンライン(Zoom)
参加資格:当学会会員(会員種別は問いません)
参加費:無料

第16回読書会

内容:フェレンツイ「大人と子供の間の言葉の混乱 - やさしさの言葉と情熱の言葉 -」
日時:2024年12月20日(金)20:00-21:30 
場所:オンライン(Zoom)
参加資格:当学会会員(会員種別は問いません)
参加費:無料

第15回読書会

今年度後半は、シャンドール・フェレンツィについて理解を深めます。精神分析理論の歴史において長い間無視されてきたフェレンツィの思想は、近年ではトラウマ治療に対する価値ゆえに再評価されています。フロイトは初期にはトラウマの原因を外的な出来事に求める外傷論の立場を取っていましたが、患者の外傷記憶の真実性を疑い、外傷論の立場を捨て、欲動論、つまりそれらの記憶を患者の内的世界を表した空想として捉える立場へ移行して行きました。フェレンツィはフロイトが捨ててしまった外的事実の重要性を探求し続け独自の理論を築き上げました。身体的・心理的・性的暴力を受けた子供の中にはどのような心の動きが生まれ、それらは子供によってどのように表現されるのか、またそれらの表現を受け止める大人やセラピスト側にはどのような逆転移反応が起きてくるのか、今年度のテーマである「暴力」について、フェレンツィを通じて考えてゆきます。

内容:フェレンツイ「大人と子供の間の言葉の混乱 - やさしさの言葉と情熱の言葉 -」
日時:2024年11月22日(金)20:00-21:30 
場所:オンライン(Zoom)
参加資格:当学会会員(会員種別は問いません)
参加費:無料

第14回読書会

内容:森茂起 著「ナイルの水源の再発見―外傷臨床に精神分析的視点を生かす」
日時:2024年10月25日(金)20:00-21:30 
場所:オンライン(Zoom)
参加資格:当学会会員(会員種別は問いません)
参加費:無料

第13回読書会

内容:森茂起 著「ナイルの水源の再発見―外傷臨床に精神分析的視点を生かす」
日時:2024年9月27日(金)20:00-21:30 
場所:オンライン(Zoom)
参加資格:当学会会員(会員種別は問いません)
参加費:無料

第12回読書会

内容:カフカ
日時:2024年7月28日(金)20:00-21:30 
場所:オンライン(Zoom)
参加資格:当学会会員(会員種別は問いません)
参加費:無料

第11回読書会

内容:アリス・ミラー『禁じられた知』
日時:2024年6月26日(金)20:00-21:30 
場所:オンライン(Zoom)
参加資格:当学会会員(会員種別は問いません)
参加費:無料

第10回読書会

内容:アリス・ミラー『魂の殺人』
日時:2024年5月31日(金)20:00-21:30 今月は第5週です
場所:オンライン(Zoom)
参加資格:当学会会員(会員種別は問いません)
参加費:無料

第9回読書会

内容:フロイト「無意識」より第7章
日時:2024年4月26日(金)20:00-21:30
場所:オンライン(Zoom)
参加資格:当学会会員(会員種別は問いません)
参加費:無料

第8回読書会

内容:フロイト「無意識」より第6章
日時:2024年3月22日(金)20:00-21:30
場所:オンライン(Zoom)
参加資格:当学会会員(会員種別は問いません)
参加費:無料

シューマッハー先生による特別ワークショップ2024

カーリン・シューマッハー博士(ベルリン芸術大学名誉教授)による特別ワークショップ。
治療関係におけるクライアントとの関係性の構築とその発展の可能性を、即興演奏を通して体験します。

Prof. Karin Schumacherの音楽心理療法的即興演奏
〜音の響きと関係性の中で見えてくる心の動き〜

①2024年2月13日(火)10:00-16:00
②2024年2月14日(水)10:00-16:00
③2024年2月15日(木)10:00-16:00

カーリン・シューマッハー先生による、グループ即興ワークショップ

2024年2月13日(火)18:30-20:00

会場:ドイツ音楽療法センター "スタジオMUSICZINE" & OFFICE(明大前)

第6回読書会

内容:フロイト「無意識」より第4章(前回の続き)
日時:2024年1月26日(金)20:00-21:30
場所:オンライン(Zoom)
参加資格:当学会会員(会員種別は問いません)
参加費:無料

第5回読書会

内容:フロイト「無意識」より第4章
日時:2023年12月22日(金)20:00-21:30
場所:オンライン(Zoom)
参加資格:当学会会員(会員種別は問いません)
参加費:無料

第4回読書会

内容:フロイト「無意識」より第2章、第3章
日時:2023年11月24日(金)20:00-21:30
場所:オンライン(Zoom)
参加資格:当学会会員(会員種別は問いません)
参加費:無料

第3回読書会

内容:フロイト「無意識」第1章、第2章
日時:2023年10月27日(金)20:00-21:30
場所:オンライン(Zoom)
参加資格:当学会員(会員種別は問いません)
参加費:無料

第2回 読書会

小宮暖 著 論文「楽器としての自己を育てる」

第1回で取り上げた論文「楽器としての自己を育てる」をもう一度取り上げます。前回の限られた時間の中で十分に掘り下げられなかった点などについて、さらに皆さんとディスカッションを深められたらと思います。前回の参加者の皆さんの意見を反映し、今回は90分の時間を取っております。ぜひまたのご参加をお待ちしております。
※参加にあたっては、内容をお読みになり、感想、疑問点、話し合ってみたい話題などをご準備ください。

日時:2023年9月29日(金)20:00-21:30
場所:オンライン(Zoom)
参加資格:当学会員(会員種別は問いません)
参加費:無料
参加方法:申込は不要です。事前に学会員全員にメールでZoomのURLと論文のPDFをお送りします。当日時間になりましたらそちらのURLからZoomにご入室ください。


第1回 読書会

小宮暖 著 論文「楽器としての自己を育てる」

分析的音楽療法を創始したメアリー・プリーストリーは、音楽療法士の自己を、良く響く楽器に例えました。クライアントと一緒に即興音楽を奏で、そこから多様な情報を受け取るために、セラピストは自分の心と身体を良く響く器のように準備しておく必要があります。本論文では、一般的に音楽療法士がよくぶつかる問題や悩みについて精神力動論の観点から取り上げ、教育分析としての音楽療法セッションが響く自己を育てる上でいかに役立つのかを論じています。
この読書会では、参加者の皆さんと本論文を読み進め、各トピックについての意見交換を通じて学びを深める時間にしたいと思います。

日時:2023年7月26日(水)20:00-21:00(多少延長の可能性あり)
参加資格:当学会員(会員種別は問いません)
参加費:無料